舞姫〜MaiHime〜

あたしは決めたんだ。

それを変えるつもりはない。


あたしはそのまま倉庫を出た。

『紅(クレア)!』
『…轟。』

轟に呼び止められたあたしは立ち止まって振り返った。

『…さっきの話。本当か?』
『うん。変えるつもりはない。』
『…そっか。まっ。それでもいんじゃね?翔はそっちの方が喜ぶだろ。』
『…ん。ありがと。』

あたしはそう言って寮へ戻った。

轟だけでも、納得してくれる奴がいて良かった。


あたしだって。
あんな強気な事言って。
偉そうにしてるけど。

本当は臆病で。
不安で。

皆あたしの事、嫌いになるんじゃないかって。
怖かった。
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