舞姫〜MaiHime〜
4,舞傷‐Maikizu‐
ドコッ
ドカッ
乾いた音が倉庫に響く。
何度も何度も殴り合う。
『関東No.2もこんなもんか』
ゴースト総長,柊(ヒイラギ)はあたしを見ながらいう。
押されぎみのあたし達。
その言葉に反発出来ないのがまた悔しい。
『まぁ,女は上玉か。』
柊は気持ち悪くニヤつきながらあたしを見つめる。
『俺等取引しね?』
『は?』
『このままだとこのチーム潰れるぞ。それが嫌なら俺の女になれ。』
普通の女だったら,拒否するかもしれない。
だけど,あたしは総長。
何百人ものチームメンバーの命を預かってるも同然。
今のあたしは,自分一人より,このチームと。
チームのメンバーの方が大切だから。
『あたしがあんたの女になると言ったら,チームに手を出さないと誓うか?』
『あぁ,誓うよ。』
『分かった。』