怖い男達
 結局、そんなことの繰り返しが続き、私は疲れている。楽しくしたいだけなのに、どうしてコメントの自由を奪われるのか、その理不尽さにうんざりしていた。

 少しずつ、【ポロリ】にコメントをしなくなり、他の親しい人達との会話を楽しんでいたけれど、彼のブログ画面を見て驚愕することになる。


「俺なんか死んじゃえばいいんだ」


 攻撃的な言葉から一変し、今度は死を持ち出す。それに対し、コメントがし辛かった。私は数ヶ月前に身内を亡くしたばかり。生きたくても生きられない人もいる。それなのに、簡単に死を持ち出して欲しくなかった。コメントがこないだけで、死を持ち出すなんて卑怯だとも思った。

 私がコメントをしないでいると、激しさを増していく【ポロリ】の言葉。
 耐えられなくなった私は、


「なかなかコメント出来なくてごめんなさい。死ぬなんて云わないで下さいね」


 それだけコメントするのが精一杯だった。
 すると、まるで大泣きしていた赤ん坊が急に泣き止むかのように、【ポロリ】は嘘みたいに機嫌が良くなったのである。

 そして、お友達指定メールが届いた。


「俺、こしあん子さんに嫌われたと思ったよ」


 ――な~んだ違うんだねと続きそうな気がする文章から始まり、やはりコメントを強要するような内容が続く。

 その後、私は催促される前にコメントしなければと必死になって【ポロリ】にコメントした。
 けれども、無理矢理な人間関係は続かないのだろう。
< 11 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop