怖い男達
粘着男・苦悩編
 今日もハンドルネーム、ゴロンゴロンは携帯の画面を凝視している。次のターゲットを吟味しているのだろうか。
その目は爛々と奇妙な光を宿し、不気味な色を放っていた。

 築五十年の家には相変わらず無職のゴロンゴロンが一人だけ、古ぼけたコタツに潜り、女房は朝から仕事に行っている。子供達は学校があるため、勿論家にはいない。家庭が崩壊寸前なのは、全てゴロンゴロンの責任だと言っても過言ではないだろう。けれどもゴロンゴロン自身、女房が俺を食わしていくのが当たり前、インターネットで忙しいのに子供の相手をするなんてめんどくさい。悪びれもせず、本気でそう思っている自分を正しいと信じていた。

 ゴロンゴロンは、毎日睡眠時間を削りインターネットの中にいる。

 そして、とうとうユーザー数の多いツイッタンに進出を果たした。ツイッタンとは巨大な一言ブログサービスで、アメリカの大統領や日本の総理大臣もユーザーであるという有名なサイトだ。ツイッタンは、基本的にはひとりごとなのだけれど、誰かにフォローしたりフォローされることで誰かと知り合い、会話を楽しむことも出来る。

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