怖い男達
 しかし、テンコはどうしたのだろうか、もう三日間も俺にコメントや返事もない。

 ゴンゾウはテンコが無視し始めたことで苛ついていた。テンコは明らかにゴンゾウを拒絶している。他の人と楽しそうに会話をしてるのに、ゴンゾウには一切コメントせず返事もしないのだ。まるで最初からゴンゾウとは関わりがなかったかのように――。

 古ぼけたコタツで貧乏ゆすりをしながら、ゴンゾウは次の手を考え始めた。ツイッタンを一度ログアウトすると、保存したテンコの顔写真を凝視し、テンコの住む町へ行こうと決めるのに時間はかからなかった。テンコとの会話で、彼女の自宅を特定するのは簡単だった。海の側にあるレストランの隣りにあるアパートの二階。

 古ぼけたコタツを出ると、女房がお金を入れているタンスを開け、現金を取り出した。

 テンコは俺だけを愛していたはずなのに、俺を裏切ったんだ。自分勝手な考えから、ゴンゾウはテンコに愛憎を抱く。

 現金をポケットに入れると勢いよく家を飛び出した。

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