怖い男達
お通夜の最中、お経を聴きながら貧乏ゆすりをする俺に、親戚や家族はもちろん列席者も眉をひそめていた。だが、そんな視線はちっとも気にならない。
俺はやがてポケットに手を入れ、携帯を触った。もう我慢の限界だったから当然だろう。勢いよく携帯を取り出すと、ツイッタンに繋いだ。そこで俺はいいことを思いついた。それは葬儀の実況中継。周りの奴らは、きっと不謹慎な行為だと非難するかもしれない。なぁに、俺だってそのくらいお見通しさ。でもそんなことより、葬儀の実況中継をすれば、たくさんの人からコメントを貰えるかもしれない。俺にはそっちの方が重要だし、期待に胸が膨らむ。
「今、坊さんがお経あげてるよ~腹減ったな」
「参列者への挨拶疲れたよ」
こんなふうに俺は書き込み、誰かがコメントしてくれるのを今か今かとニヤニヤして待ちわびる。
「葬儀って大変だよね」
ようやくコメントが入った。それはハンドルネーム【チョコタン】だった。
葬儀の最中だということも忘れ、俺は嬉しさのあまり頬を緩めニヤニヤした表情が止まらない。ふと方々から視線を感じ、見渡すと家族や列席者が揃いも揃って、怒ったような表情で俺を見ている。
チョコタンは既婚者で、テンコのように顔写真を載せている。ハンドルネーム【ポロリ】の時からの仲良しだ。彼女だけは、一度も俺を拒絶しないのだから、力強い見方と云ったところだ。
俺はやがてポケットに手を入れ、携帯を触った。もう我慢の限界だったから当然だろう。勢いよく携帯を取り出すと、ツイッタンに繋いだ。そこで俺はいいことを思いついた。それは葬儀の実況中継。周りの奴らは、きっと不謹慎な行為だと非難するかもしれない。なぁに、俺だってそのくらいお見通しさ。でもそんなことより、葬儀の実況中継をすれば、たくさんの人からコメントを貰えるかもしれない。俺にはそっちの方が重要だし、期待に胸が膨らむ。
「今、坊さんがお経あげてるよ~腹減ったな」
「参列者への挨拶疲れたよ」
こんなふうに俺は書き込み、誰かがコメントしてくれるのを今か今かとニヤニヤして待ちわびる。
「葬儀って大変だよね」
ようやくコメントが入った。それはハンドルネーム【チョコタン】だった。
葬儀の最中だということも忘れ、俺は嬉しさのあまり頬を緩めニヤニヤした表情が止まらない。ふと方々から視線を感じ、見渡すと家族や列席者が揃いも揃って、怒ったような表情で俺を見ている。
チョコタンは既婚者で、テンコのように顔写真を載せている。ハンドルネーム【ポロリ】の時からの仲良しだ。彼女だけは、一度も俺を拒絶しないのだから、力強い見方と云ったところだ。