怖い男達

　数日後、私は会社帰りに友人たちと待ち合わせをしていたので、会社から五つ目の駅にある居酒屋へ向かった。居酒屋と云っても、洋風の建物にお洒落な店内なので、雑誌にも掲載されるほどだ。

　居酒屋に入ろうとした時、私のカバンからメロディが聴こえる。私はここで待ち合わせをしている友人の誰かだろうと思い、慌ててお店の前で電話を取り出し、通話ボタンを押した。


「もしもし～まだ着かない？　皆揃ってるわよ～。そうそう、彼氏もお待ちかねよ」


　友人の言葉に疑問を感じる。彼氏がお待ちかねって、今日は女性の友人だけが集まるはずじゃ……。それに彼はここに来るって云ってなかったと思うけれど……。


「もうお店の前にいるわ。でも、彼氏がお待ちかねってどういうこと？」


「照れなくても良いって～。入ってきてね」


　友人は一方的に答えると電話を切ってしまった。