片思い?両思い?
ニヤリと笑う理沙。
この顔をするときってあまり良いこと考えてないんだよね・・・。
「・・・奪っちゃいなよ」
「は?」
どうしてそうなるのよ。
「今がチャンスだと・・・」
私は理沙が言いかけてたのを止めるようにチョップしてやった。
「理沙・・・いい加減にして・・怒るよ」
「あ・・・ごめん・・・言い過ぎた」
「人の幸せをわざと奪って何になるのよ?・・・私は嫌よそんなやり方」
ジロリと睨むと、小さくなる理沙。
「はぁ・・・本当にいい子なんだよね、茜は・・」
そしてため息を吐く。
「いい子じゃない・・・当たり前なの」
「そんなんじゃ、いつまでたっても彼女になんてなれないわよ?」
「・・・あのさ理沙。大事なこと忘れてない?」
「大事なこと?」
「私は日向先輩が好きだけど、先輩は好きじゃないのよ?彼氏と彼女って言うのは相思相愛じゃいとムリでしょ?いくら私が彼女さんと先輩を別れさせても日向先輩が私を好きになる保証なんてどこにもないじゃない」
「・・・そうだけど」
「このままでいいの。ずっと片思いしてきたんだから。今のままで幸せなのよ・・・トイレに行ってくる」
そう言って私は教室をでた。
理沙は・・・私のことを本当に大事に思ってくれるいい友達だけど・・・時々おかしな方向に進むんだよね。