片思い?両思い?
初めての・・・【茜】
ガチャ・・・と部屋のドアが開くと、麦茶を持った先輩が入ってきた。
「あ・・・」
「はい・・・どうぞ」
コトンとテーブルに置いてくれた。
「あ、ありがとうございます」
「・・ここ、間違ってる・・・」
「え・・・」
今やってる問題が間違っているらしく・・・いきなり指摘されてしまった。
「うわ〜ん・・数学わかんない〜」
「・・・数学だけじゃないだろ・・・」
「・・うっ・・・ほとんどの教科わかんない〜」
言い換えた。
「プッ・・・茜はお馬鹿だね」
笑いながら頭をポンポンとしてくれる。
・・・やっぱり、かっこいいよなぁ・・・大好きだぁ・・・。
バチッっと先輩と目が合って・・・ハッ・・・見とれちゃった・・。
「どうした?」
「いえ・・あんまり頭悪くて・・・嫌いになっちゃったかな・・って」
自分でも呆れるくらい馬鹿なんだもん。
下を向く私の手を握ってくれて、
「そんな事で嫌いになんてならねーから・・・」
ニコッて笑ってくれる。
・・・私の何を好きになってくれたんだろう。
「茜?」
「え・・あ、いえ・・・ここわかんないなって・・・」
「フッ・・・どこ?」
なんとなく聞いてみたんだけど・・・
ち、近い・・・日向先輩の顔が近い・・・。
いや〜ん・・・ドキドキしてきた・・・なんか凄くドキドキしてきた。
・・・考えてみれば、2人きりじゃない?・・・気が付くの遅い??
「・・で、こうなる・・・分かった?」
「え?・・・」
「え?って・・・聞いてねーの?」
「あ、いえ・・・あの・・・」
ヤバイ・・・顔が近すぎて、集中できなかった。
「はぁ・・・ちょっと休憩するか」
あ・・・・怒った?
離れようとする日向先輩の腕を掴む。