片思い?両思い?

初めての・・・【茜】



ガチャ・・・と部屋のドアが開くと、麦茶を持った先輩が入ってきた。

「あ・・・」

「はい・・・どうぞ」

コトンとテーブルに置いてくれた。

「あ、ありがとうございます」

「・・ここ、間違ってる・・・」

「え・・・」

今やってる問題が間違っているらしく・・・いきなり指摘されてしまった。

「うわ〜ん・・数学わかんない〜」

「・・・数学だけじゃないだろ・・・」

「・・うっ・・・ほとんどの教科わかんない〜」

言い換えた。

「プッ・・・茜はお馬鹿だね」

笑いながら頭をポンポンとしてくれる。

・・・やっぱり、かっこいいよなぁ・・・大好きだぁ・・・。


バチッっと先輩と目が合って・・・ハッ・・・見とれちゃった・・。

「どうした?」

「いえ・・あんまり頭悪くて・・・嫌いになっちゃったかな・・って」

自分でも呆れるくらい馬鹿なんだもん。

下を向く私の手を握ってくれて、

「そんな事で嫌いになんてならねーから・・・」

ニコッて笑ってくれる。


・・・私の何を好きになってくれたんだろう。

「茜?」

「え・・あ、いえ・・・ここわかんないなって・・・」

「フッ・・・どこ?」

なんとなく聞いてみたんだけど・・・

ち、近い・・・日向先輩の顔が近い・・・。

いや〜ん・・・ドキドキしてきた・・・なんか凄くドキドキしてきた。

・・・考えてみれば、2人きりじゃない?・・・気が付くの遅い??

「・・で、こうなる・・・分かった?」

「え?・・・」

「え?って・・・聞いてねーの?」

「あ、いえ・・・あの・・・」

ヤバイ・・・顔が近すぎて、集中できなかった。

「はぁ・・・ちょっと休憩するか」

あ・・・・怒った?

離れようとする日向先輩の腕を掴む。





< 120 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop