片思い?両思い?



ピンポーン。

私は理沙の家のインターホンを押す。

「はい」

中からお母さんの声がした。

「あ、茜です・・・理沙いますか?」

「ごめんなさい。病院へ行ってるの」

「そうですか、分かりました」

・・・携帯が繋がらないわけだわ。


帰ろうかとも思ったけど・・・病院へ行ってみて会えなかったら帰ろう。

理沙のお父さんが院長をしている総合病院。


中に入ると、

「あ・・・純さん!」

看護師の純さんを見つけて私は少し小走りになった。

「あら?茜ちゃん?」

「はい・・・お久しぶりです」

「・・・なんか雰囲気かわったね・・・彼氏でもできた?」

「ええ・・・・なんで分かるんですか?」

「おお・・・当たった・・あはは」

いつも笑顔で話してくれる純さん・・・可愛い人なんだよなぁ。

旦那さんの暁先生はカッコイイし・・・ステキな夫婦なんだよね。

「理沙ちゃん探してる?」

純さんが聞いてくれる。

「あ、はい」

「院長室かな?」

「あ~、そうですか・・・じゃあまたにしようかな・・・」

そんな会話をしていたら、

「母さん」

後ろから男の子の声が聞こえた。

「宙」

振り向くと、純さんの息子の宙君がいた。

・・・相変わらず・・・イケメンだぁ。

「あ、茜ちゃん?こんにちは」

「宙君、こんにちは」

宙君は今年から中学1年生。

・・・モテモテだろうなぁ。

「・・・なんかさ、そこで理沙姉に会ったんだけど・・・すげぇ不機嫌だったよ・・・なんかあったの?」

小さい頃から一緒に過ごしてきたから、宙君は理沙を理沙姉と呼んでる。


あ~・・まだ仲直りしてないんだ・・・。





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