片思い?両思い?


「どんな有名人?」

「男の中では・・・伝説?」

「「伝説?!」」

思わず理沙と顔を見合わせてしまった。

「東の隆平、西の琉太って知らない?」

「「しらな~い」」

「ああ・・そう」

「教えてよ、宙・・・隆平のこと」

「ああ・・・俺も又聞きだから詳しくは知らないんだけど・・・」

そう前置きして話し始めた隆平さんの過去。


中学のときの隆平さんは相当荒れてて、毎日のように喧嘩をしていたらしい。

でも、誰かと一緒にいるわけではなくて一人で何人も相手にすることも多かったみたい。

だけど負けなしだった。

隆平さんを慕って周りにはいつも多くの人がいたらしい。

もう一人同じようなタイプの人間がいた・・・それが琉太さんだった。

たまたま町で鉢合わせした2人は、その場の勢いからタイマン勝負になった。

結果は引き分け。

お互いが強さを認め合って、仲良くなった。

2人が一緒であれば・・・負けなし。

中学時代はそんな感じで喧嘩三昧。

だけどなぜか隆平さんは成績が良かった。

喧嘩は中学で卒業。

この高校に入ったのは、ある女の人に会うため・・・。


「まぁ・・・それが理沙姉だとは思わなかったけど・・・」

「・・・・・」

「隆平さんは硬派だけどモテてたから女には不自由しなかったし、琉太さんは根っからの女好きだから、今でも遊んでるって話だけど・・・でも、そんな隆平さんが理沙姉一筋なんて・・・何かあるんじゃね?」

「・・・どうだろう・・・」

「理沙姉さ、どこかで隆平さんに会ってない?」

「え?・・・わかんない・・・小さい頃・・・小学生の頃の記憶はほとんどないの・・・なぜか分からないけど・・・」

「それって・・・理沙のお兄ちゃんが関係あるのかな・・・」

「・・・・そうかもね」

「理沙。隆平さんに会ってちゃんと確かめてみたら?」

「・・・うん」

いつもは積極的で明るい理沙。

だけど彼女は心に傷を抱えてる。



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