片思い?両思い?
帰る?
帰らない?
どうしよう。
あ・・・そっか・・・もしかしたら、今日別れを言うために一緒に帰ろうって事なのかな・・・。
待ってなくちゃ・・ダメだよね・・・。
私は教室に戻ると自分の席に座った。
付き合ってから・・・こんな日がいつか来るんじゃないかってずっと思ってた。
幸せの時間は・・・短いんじゃないかって・・・。
だって・・ずっと見てきた。
日向先輩がどんなに早苗さんを好きだったのか。
そんな簡単に忘れられるはずが無いよ・・・。
まっすぐな思いの日向先輩だからなおさら・・・。
私は幸せだった。
短い間だったけど・・・本当に幸せだったから。
先輩が早苗さんと一緒にいることを選ぶなら・・・笑顔でお別れをしよう・・・。
会えなくなるわけじゃない・・・また・・また片思いに戻るだけ・・・そう、それだけのこと。
でも・・・涙が止まらないのは何でかな。
・・・本音は?
嫌だよ。
別れるなんて、考えたくない。
私が我侭を言えば日向先輩はそばにいてくれる?
だけどそれで日向先輩は幸せなの?
好きな人が苦しむ姿を・・・ずっと見てきたじゃない。
だから笑顔でいようって、日向先輩の笑顔が消えないようにって・・その笑顔の隣で私も笑顔でいたいって・・・そう思って付き合ってきた。
私があのお日様みたいな笑顔を奪うわけには行かない。
深い深呼吸をして、涙をなんとかこらえて・・・自分自身にちょっと気合を入れたところに
「茜?」
日向先輩が・・・やって来た。