片思い?両思い?


帰る?

帰らない?

どうしよう。


あ・・・そっか・・・もしかしたら、今日別れを言うために一緒に帰ろうって事なのかな・・・。


待ってなくちゃ・・ダメだよね・・・。


私は教室に戻ると自分の席に座った。


付き合ってから・・・こんな日がいつか来るんじゃないかってずっと思ってた。

幸せの時間は・・・短いんじゃないかって・・・。

だって・・ずっと見てきた。

日向先輩がどんなに早苗さんを好きだったのか。

そんな簡単に忘れられるはずが無いよ・・・。

まっすぐな思いの日向先輩だからなおさら・・・。


私は幸せだった。

短い間だったけど・・・本当に幸せだったから。

先輩が早苗さんと一緒にいることを選ぶなら・・・笑顔でお別れをしよう・・・。


会えなくなるわけじゃない・・・また・・また片思いに戻るだけ・・・そう、それだけのこと。


でも・・・涙が止まらないのは何でかな。

・・・本音は?

嫌だよ。

別れるなんて、考えたくない。

私が我侭を言えば日向先輩はそばにいてくれる?

だけどそれで日向先輩は幸せなの?

好きな人が苦しむ姿を・・・ずっと見てきたじゃない。

だから笑顔でいようって、日向先輩の笑顔が消えないようにって・・その笑顔の隣で私も笑顔でいたいって・・・そう思って付き合ってきた。

私があのお日様みたいな笑顔を奪うわけには行かない。



深い深呼吸をして、涙をなんとかこらえて・・・自分自身にちょっと気合を入れたところに

「茜?」

日向先輩が・・・やって来た。










< 145 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop