片思い?両思い?
茜
やっと会えた日向先輩に抱きしめられて・・・あれ?私のことまだ好きでいてくれるの?
・・・だけど・・・
ドン!と日向先輩を突き放した。
「茜?」
驚いた顔の日向先輩。
・・・だって、先輩の服から・・早苗さんの香水の香りがした。
抱きあっていたあの光景が浮かんで・・・どうしていいか分からない・・・。
「茜?どうした?」
近づこうとした先輩を警戒する。
それに気が付いたのか、それ以上は近づいてこない。
・・・どうすればいいの?
どうすれば・・・。
「俺のこと・・・嫌いになった?」
日向先輩の言葉にハッとする。
「ち・・ちが・・・」
「自分勝手なことばかりしてるから、呆れちゃった?」
「・・・・」
私は俯いたまま何も言えず、首を横に振った。
・・・言葉を発したら涙が出そうで・・・。
だけど・・・
「日向・・・先輩・・・」
「うん?」
「・・・もし・・早苗さんと」
「ん?早苗?」
日向先輩を見ると・・・不思議そうな顔をしている。
「やり直したいなら・・・行っても・・いいん・・です・・・よ?」
言った舜間
「何言ってんの?」
抱きしめられた。
涙が・・・溢れてきて・・・
「本気でそんな事言ってんのかよ?」
「だって・・・」
「だってじゃねーよ・・・」
「でも・・・」
「何でそうなるんだよ・・・」
「さっき・・・」
「さっき?」
「教室で・・・・抱き合って・・・た・・んっ」
突然唇をふさがれて・・・。