片思い?両思い?
駅までの道のりで、私は黙ったまま下を向き、理沙は口を尖らせ、先輩たちは笑っていた。
「いや~、面白かった」
隆平先輩は私を見る。
「え?お、面白いですか?」
「うん。イメージと全く逆なんだもんな・・・参りました」
ええ・・・嫌だな。
まだクールと思われてた方が良かったのかも・・・。
「フフッ・・・こんなに面白いならまた付き合ってあげるよ?」
日向先輩が笑顔で言ってくれて・・・まじっすか?
「ま、また是非・・」
その言葉だけで精一杯だった。
「はいはい。・・・じゃ、俺こっちに用事あるから」
そう言って駅とは反対の方へ向かう。
「ああ、早苗ちゃんか?」
「おう」
その笑顔で、彼女に会いに行くんだってわかる。
あの笑顔向けられる彼女さんが羨ましい。
「あ、ありがとうござりました」
「ププッ・・・どういたちまちて・・ププッ」
・・わざと噛まないで欲しい・・。
恥ずかしいじゃん。
日向先輩は笑顔で去っていった。