片思い?両思い?


「理沙」

「隆平・・・」

私の歪んだ顔が分かったのか

「どうした?」

心配そうに隆平が聞く。

「ううん・・・ちょっと頭が痛くて・・・」

「え?・・・大丈夫なのか?」

「う、うん・・・・あ、治まった」

「ほんとに?」

「うん」

「そっか・・・ならいいけど」

「ありがと」

「いや・・・それよりどうした?」

玄関の前で立ち話も嫌だったし、家に入れるとお母さんが何を言うかわからないし・・・人には聞かれたくないし・・・。

そんなことを考えていたら

「ちょっと歩くか」

隆平が誘ってくれた。

「あ、うん」

私たちはゆっくりと歩き出した。


どう切り出せばいいのやら・・・。

「ねぇ隆平・・・」

「ん?」

「やっぱり私たちってどこかで会ってる?」

「なんで?」

「うん?・・・今日ね、隆平のこと知ってる人に隆平のこと聞いたの・・それで・・・」

「そうか・・・・あそこのベンチに座る?」

隆平が指を差したのは、小さな公園のベンチ。

「うん」

私たちはゆっくりとベンチに腰を下ろす。

そして隆平が話始めた。




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