片思い?両思い?


ん?夢?あの男の子は誰?

隣にいる女の子は・・・誰?

「理沙お姉ちゃん」

私を呼ぶのは、私より2才年下の女の子。

確か名前は・・・奈々ちゃん。

「理沙ちゃん」

奈々ちゃんのお兄さんの・・・「いま君」


その当時私は小学校3年生になったばかり。

お兄ちゃんが大好きで、毎日のように病院に来ていた。

「いまく~ん」

いま君は、とても大人しい妹思いの優しいお兄ちゃんだった。

私のことも妹のように可愛がってくれていた・・・と思う。


「理沙ちゃん学校終わったの?」

「うん!奈々ちゃんといま君に会いたくて急いで来たんだよ」

「そっか、そっか・・・じゃあ一緒に遊ぼうか」


「「うん!!」」

忙しいお兄ちゃんにかわって、いま君が遊び相手になっててくれていた。

奈々ちゃんは、喘息がひどくて入院してて・・・いつだったか自然の空気が綺麗なところに引っ越すんだって話をしてくれていた。

私は寂しかったけど・・・そうなったら教えてね・・なんて約束をしてた。


それから何日もしなかったと思う。

お兄ちゃんが事故にあったのは・・・。


いつものように私は急いで病院に向かっていた。

「あ、お兄ちゃん!」

いつもいないはずのお兄ちゃんを見つけて、お兄ちゃんも私に気がついて・・・私は左右を確認したつもりで、道路を横切った・・・・だけど

「理沙!」

お兄ちゃんが私の名前を呼んで・・・・・


キキーっと車のブレーキの音が聞こえたと思ったら・・・そこから意識がなくなった---。





< 165 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop