片思い?両思い?


「おう、こいつは女にはものすげぇ冷てぇ奴だからな。1回やったらポイッだもんな」

「うるせぇよ・・・そんなの昔の話だろ・・・しかも・・そのおかげで・・・」

思い出してちょととへこむ。

「なんだよ?女に振られたか?」

ニヤニヤしながら聞く琉太に

「殴られてぇのか!?」

ムカついた。

「お、図星」

「まだ、振られてねーよ!!」

「カー!隆平が女の事でこんなに余裕がないの初めてみるよ」

「・・・うっせぇ・・・」

ははっ・・と琉太は笑う。

なんだか懐かしいな。

「ところで、今喧嘩したら、間違いないなく俺が勝つ!」

ああ?

なんだよその自信は・・・。

「なんかしてんのか?」

「ジムに通ってんだ」

「ジム?」

「おう・・・ボクシングの、な」

そういいながら腕を伸ばす。

「なに?ボクサーにでもなるのか?」

「まさか!プロになったら喧嘩できねーじゃん・・・喧嘩大好き!女も大好き!・・・そして強い!!・・・どうこんな俺」

そういいながら得意げに自分を指差す琉太・・・・前から頭は良い方じゃないのはわかってたけど・・・

「・・・・アホだな」

そこまでして・・・喧嘩して勝ちたいのか・・・。

「チッ・・・隆平ならそう言うと思ったけどよ・・・」

落ち込むな。

「ま、琉太らしくていいんじゃね?」

「だろ!だろ!・・やっぱ、隆平だよ」

・・・いや・・・そう言うしかねーだろうが・・・。

どれだけ強くなっても、俺との関係を崩さないでいてくれるのが嬉しいよな。


馬鹿話をちょっとしてから、琉太が急にマジな顔になる。

「なぁ、隆平・・・」

「あ?」

「ここからが本題」

「本題?」

「おう、俺が隆平を呼び出した本当の理由」

「あ?」






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