片思い?両思い?


「理沙」

「隆平・・・」

ん?なんだか顔が・・・気分でも悪いのか?

「どうした?」

聞いてみると

「ううん・・・ちょっと頭が痛くて・・・」

「え?・・・大丈夫なのか?」

最近、俺と一緒にいると「頭が痛い」って言うこと結構あるけど・・・大丈夫なのかよ。

「う、うん・・・・あ、治まった」

「ほんとに?」

「うん」

「そっか・・・ならいいけど」

「ありがと」

お礼なんていいのに・・・・変な病気になってんじゃねーよな?

・・・医者の娘だもんな・・・大丈夫か・・・。

「いや・・・それよりどうした?」

聞いても何も答えず考えてる。

「ちょっと歩くか」

誘ってみると

「あ、うん」

と、一緒に歩き出す。

まぁ、家の前はまずいよな・・・何するにも。


しばらく歩くと、理沙が小さな声で俺を呼んだ。

「ねぇ隆平・・・」

「ん?」

「やっぱり私たちってどこかで会ってる?」

「なんで?」

俺のこと、思い出したわけではなさそうだな・・・。

「うん?・・・今日ね、隆平のこと知ってる人に隆平のこと聞いたの・・それで・・・」

「そうか・・・・あそこのベンチに座る?」

小さな公園のベンチを指差す。

「うん」

ベンチに座って、ゆっくりと話し始めた。










< 178 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop