片思い?両思い?
「あの日、本当は自殺をするつもりだったんだと思う・・・屋上に上がった啓斗君は学校から帰ってくる理沙ちゃんを見つけた。顔がみたかったのか、話をしたかったのかはわからないけど、理沙ちゃんに会いに啓斗君は1階に降りて、理沙ちゃんを迎えに行った。・・・そこで事故が起こったんだ。俺たちは必死になって助けようとした。けど・・・ダメだった」
暁先生・・・。
「その後、啓斗君の部屋から遺書をみつけて、院長に言ったほうがいいのか迷った。けど聡に相談したら、ちゃんと見せたほうが良いって言われて・・・・院長に見せたんだ。そこで少し言い争いになって、その会話を理沙ちゃんが聞いていたんじゃないかな・・・」
なんだか頭がモヤモヤする・・・・暁先生の言葉にもやが掛かったみたいに・・・・・。
---------記憶が戻ってくる---------
そう・・・あの日私は暁先生を見つけて後を追った。
院長室に入った暁先生と院長のやり取りを聞いていた。
「啓斗君は・・・やはり自殺をしようとしていたみたいです」
「・・・そんな馬鹿な・・・なぜ・・・?」
「これを・・・」
「これは?」
「啓斗君の机の引き出しに入っていた、遺書です」
「こんなものが・・・」
「院長・・・」
院長室のドアを押すと少しだけドアが開いた。
そこに見えたのは父親が泣いてる姿。
初めて見るその姿にとてもショックで・・・。
私は自分が父親を泣かせてしまったんだと思った。
お兄ちゃんを死なせて、お母さんを狂わせて・・・お父さんを泣かせた。