片思い?両思い?
理沙
学校へ行くといつものように、4人で話をしてた。
「皆ありがとう」
私がお礼を言うと、微笑んでくれて。
「だけど・・暁先生にはびっくりした。あんな友達がいたなんて」
茜は感心した様に話す。
「俺も・・・しかも聡さんって弁護士だよな?・・・あれで大丈夫なのかな」
日向先輩がちょっと笑いながら言うと
「理沙のこと言ってるときは、きちんとしてたから、オン、オフの切り替えが凄い人なんだろ?」
隆平は人間観察してたんだ。
「理沙はお父さんと話は出来た?」
茜が心配そうに聞いてくれるのがわかる。
「ううん、まだ。お兄ちゃんの遺書も見せてもらおうと思ってる・・・そしてお兄ちゃんの分も頑張って行こうと思う」
「そっか~・・・」
「だけど、隆平があそこまで将来のことを考えてるなんて思わなかったな」
日向先輩は感心したように話す。
「まあな・・・ずっと考えてきたことだから・・茜ちゃんは?何かある?将来の夢」
「私!?・・・私は保育師さんになりたいの。ピアノも習ってるし・・・そんなに上手じゃないけど・・・」
「茜はスローペースだもんね」
「もう!いいじゃん」
「茜が保育師なんてさ~・・・男の子に馬鹿にされて終わるんじゃないの?」
ちょっとからかってみると
「ひどい!」
真っ赤な顔で口を尖らせた。
「私は医療事務の資格を取るように進めてるの。・・・そうしたら、一緒に働けるし。でも、頑固だからねー茜は!」
「頑固とかじゃないの!理沙のことも色々考えたけど、やっぱり保育師の仕事したいんだもん・・・」
「いいんじゃない?茜ちゃんがそれで良かったら・・・日向は?」
「俺なぁ・・・全く考えてないんだ。本当なら大学行っても野球やるつもりだったし・・・それがダメになっちゃって・・・何していいか考えてないんだよな・・・。」
そうか~、一番の問題は意外にも日向先輩だったか・・・。