片思い?両思い?
教室に戻るまでの間に話をする。
「隆平さん、慌ててたね」
「うん・・可愛いでしょ?」
「フフフ・・・うん」
「惚れちゃダメだからね。隆平は私のなんだから!」
「私は日向一筋だもん!!」
「茜って日向先輩のいないところでは『日向』って呼ぶよね」
「う・・・だってさ、本人前にするとめちゃくちゃ緊張するし・・・噛んじゃうんだもん」
「茜らしいって言うか、なんと言うか・・・でも、日向先輩は不満なんじゃないの?」
「うん。すご~く不満みたい。でも・・最近はちょっと諦めたみたいだけど」
「あ~・・・諦めさせちゃうんだね・・・茜・・・すごいわ」
「え!・・・だって・・・」
「その、だって、でも・・やめなさいよ」
「だけど・・・」
「言い方変えても一緒でしょ!」
「うううっ」
茜もからかうと面白いんだよね・・・・スイッチ入る前までだけどね・・・。
これ以上責めると怒られるからやめておこう。
「今日は隆平さんとも帰らないの?」
「うん・・・最近は一緒に帰ってないんだ」
「そうなの!?」
「うん・・・なんだろう・・何かね・・・隆平がちょっと変わったような気がする」
「あ!私も思ったよ?何か感じが違うって言うか・・・前より笑わなくなったよ・・・ね?」
「・・・うん。考えてることがあるのかな・・・」
「考えてること?」
「隆平さ、私と・・・・ううん、なんでもない」
「理沙・・・か、考えすぎだよ・・・きっと・・・」
「・・・うん」
隆平が何か、深刻に悩んでいることはわかる・・・だけどそれがなんなのかが解らなくて、聞くのも怖くて、モヤモヤしてる。