片思い?両思い?
そんなことを悩んでいるからか、理沙の前でも笑顔になれない自分がいて・・・・。
理沙だけじゃなく、茜ちゃんも心配そうに俺を見てるのが解る。
理沙が啓斗さんの問題を解決して、落ち着くかと思ったら、俺が悩んでしまった。
一緒に帰っていても、どこか上の空で理沙の話も聞いているようで聞いていなかったり・・・。
「ね?隆平」
「え?」
「え?って・・・聞いてなかったの?」
「ああ・・・ごめん」
「ねぇ、何か悩んでるんだったら相談してよ。話してくれないと解らないよ・・・」
「ああ・・・うん・・・」
「うん・・じゃなくて!何悩んでんの!?」
理沙が怒り始めてしまった。
「いや・・・理沙は俺のこと好きだろ?」
「え?・・・何突然」
「いいから答えろよ」
「・・・・うん」
恥ずかしそうに俯く理沙は、可愛いと思う。
「俺も好きだ。これは嘘じゃない」
「知ってるよ」
「だけど・・・一緒にはいられないかもしれない」
「・・・・どういうこと?」
「俺は、理沙を支えていきたいと思ってる。これも嘘じゃない。・・・結婚も考えてた」
「け、結婚!?」
驚いて俺を見る。
「・・・びっくりするよな?でも、それくらい理沙が好きなんだよ。だけど、俺じゃないような気がするんだ」
「何が?」
「理沙と結婚する相手。俺は理沙の相手じゃない」
「ちょ、ちょっとまってよ。何でそんな事・・・。私が医者を継ぐから?」
「違う・・・俺には理沙の隣にたつ資格が無いってことだ」
「資格って・・・そんなもの要らないわよ・・・」
「いや・・・いるよ。・・・俺じゃダメなんじゃないかって、そう思う」
「隆平?・・・今からそんな事考えないでよ・・・それに公認会計士になるんでしょ?私の側にいてくれるんでしょ?」
「それは、約束する。でも、男として理沙の隣に立てるのか?って考えると・・・そんな器じゃねーよ」
「・・それは、私も一緒に決めることでしょ?」
理沙が立ち止まる。