片思い?両思い?
「これから、俺は香奈枝とデートだ。・・・考えすぎんなよ?仕事はともかく好きな女には素直にな・・・プライドなんて邪魔なだけだぞ?」
プライド?
「素直すぎよ・・・洸一は・・・」
「そうか?いいことだろ?」
香奈枝さんのオデコにそっとキスを落とす。
「ちょ・・何考えてるのよ!誰が見てるかわからないのに~」
香奈枝さんの顔が真っ赤になる。
「いいだろ?早瀬の社長夫婦はいつまでたっても仲がいいって、週刊誌に載るかもな」
「・・・・ばか!」
あははっ、と笑って
「あ、これ、俺と聡、香奈枝の携帯番号」
名詞入れから、紙を出して渡してくれる。
「え・・・」
「プライベートの番号だから、気にしないでかけてくればいい。悩むより相談しろ。俺たちは隆平より少しだけ前を生きてる。参考になるぜ?」
「・・はい!ありがとうございます!」
俺は立ち上がり頭を下げた。
「じゃ、またね」
香奈枝さんは優しく微笑むと、洸一さんと手を繋いで店の外にある車に乗り込んだ。
仲良いんだな。
車を見送った後、俺は少しの間考えていた。
そして
理沙に会おう。
立ち上がって、店を出ると、理沙に電話をかけた。