片思い?両思い?
どのくらいいたかな。
時間にしたら10分くらい?
「理沙ちゃん?」
名前を呼ばれて顔を上げると
「洸一さん?聡さんも・・・」
スーツ姿の2人が、目の前に立っていた。
「こんなところで、どうしたの?」
「え・・ちょっと・・・お二人はどうしたんですか?」
「俺たちは仕事帰り。これから香奈枝を迎えに行くんだけど・・・理沙ちゃんの家ってこっちじゃないよね?」
「あ、はい・・・」
洸一さんに聞かれて、下を向いてしまう。
「何かあった?」
「え・・・」
「目が赤い」
洸一さんに言われてハッとする。
「あ・・・あの・・・」
「隆平君と喧嘩でもした?」
聡さんが優しく聞いてくれるから・・・また涙が溢れた。
「あ!聡!!」
「え・・・俺、泣かせた?」
慌てる2人に
「い、いえ。すみません」
私も慌てて謝った。
これじゃ、大人2人にいじめられてるみたいじゃん・・・。
聡さんは隣のブランコに座って、洸一さんはブランコの前にある鉄棒に寄りかかった。
私は何があったのか、洸一さんと聡さんに話した。
「なるほどね」
洸一さんは納得したように頷いた。
「暁の奴が俺の家になんて連れてくるから、こんなことになるんだよ」
ため息混じりに洸一さんは言った。
「暁先生のせい?」
どうして・・・
「そ。理沙ちゃんは俺のうちに来て、どう思った?」
「どう・・・って。もちろん驚きましたけど・・・でも、早瀬グループの社長のお家なら当たり前の大きさなのかと・・・」
「そう・・・俺たちは見慣れてるんだ。大きい家も何もかも。暁や、聡も小さい頃から一緒だからこんなものだって思ってる。でも、隆平君はどうだろう?」
・・・隆平?
「俺が感じたかぎり、友達の茜ちゃんは理沙ちゃんと友達だけあって、それほどでもないように見えた。だけど隆平君と日向君は相当驚いたようにみえたよ・・・そして現実を目の当たりにした」
「・・・・はい」