片思い?両思い?

「でもさぁ・・・隆平君は男だからね~・・・プライドもあると思うよ?」

聡さんがブランコをこぎながら言う。

とても楽しそうに見えるのは私だけでしょうか・・・。

「プライド?」

「まぁな・・・男には少なからずプライドがあるから・・・守りたいとか、引っ張って行かなくちゃとか・・・女に負けたくないとか、男らしさってなんだ?とかね」

「そうなんですか?」

「うん。俺の場合は香奈枝を引っ張っていく方だったからいいけど、理沙ちゃんの場合は逆だからな・・・俺より大変だと思うけど・・・」

「男は意外に、ガラスのハートだったりするし?意地になったりするから・・・」

聡さんも・・・ガラスのハート?

「ま、聡は妄想野郎でハートは鋼鉄だけどな」

「失礼だな洸は!俺のハートは飴ガラスより脆いんだぞ?」

「ああ・・・涙腺だけは、恐ろしく脆いよな」

・・・・どんな人なんだろう・・・聡さん・・・。

そして、ブランコに乗ってる聡さんはやっぱり楽しそうで・・・。

「お前、ブランコ楽しいだろ?」

洸一さんに突っ込まれて

「え!?・・・・うん」

さすがの聡さんも、ちょっと恥ずかしいらしい。

・・・だけど、ちゃんと楽しいって認めるんだね。

「高校生で将来のこと考えるのって大変だと思うけど・・・俺がそうだったから・・・でも理沙ちゃんと隆平君がうまく行くように、願ってるから」

「はい。ありがとうございます」

私みたいな高校生に・・・本当にありがたいな。









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