片思い?両思い?
おまけ~茜の嫉妬。日向の思い~
あれから1年がたち、皆それぞれ学年が1つ上がって、
「無事2年になれてよかったな、茜」
そういいながら頭を撫でてくれる日向。
「うん。みんなのおかげ」
「勉強したもんなぁ・・・」
隆平さんも頷く。
「本当に呑み込み悪いんだから・・・」
理沙はちょっと呆れ顔。
学年が変わっても、私たち4人が朝会話をする日課はかわらなった。
ただ、場所がちょっと変わったのと、たまに日向と隆平さんの友達が、輪の中に入ることはあったけど、それだけだった。
私はこのまま卒業まで、穏やかに過ごせるのだろうと思っていた。
新入生が入って来るまでは。
その日は少し遅れていつもの場所に向かった。
「おはよ~」
いつもの場所に行くと、そこには見知らぬ女の子が2人。
「おはよ」
日向が笑顔で挨拶してくれて、
「おはようございます」
女の子2人も挨拶をしてくれた。
私が日向の隣に行くと
「あ、こいつら俺の中学の先輩の妹とその友達」
日向が紹介してくれた。
「あ、よろしくお願いします。西野 茜です」
「私は小渕 円(コブチ マドカ)、で、こっちが友達の谷口 萌(タノグチ モエ)です」
にっこり微笑む円ちゃんは・・・お人形さんみたいに可愛い人だった。
・・・だけど、性格は豪快だった。
「あははは!隆平さん面白い!!」
「お前・・・可愛い顔が台無しだな・・・」
自分を可愛くみせようとか・・・全くないようで・・・。
人懐っこいし。
何か憎めない子だなって思った。