片思い?両思い?
理沙の教室に顔を出すと
「お、来たね。じゃ、行こうっか」
と、場所を移動した。
天気が良かったから中庭にでて、お弁当を広げた。
「今日はどうしたの?めずらしいね」
私が聞くと理沙は呆れたように
「茜が泣きそうな顔してるからでしょ~」
と、お弁当をつまみながら言った。
「え?・・・いつ?」
「朝、日向先輩に円が触れたときとか、萌に日向先輩が笑顔を見せたときとか・・・本当にわかりやすいんだから・・・ま、気がついてるのは、私くらいだけどね」
「りさぁ~」
やっぱり、理沙だ。
「あ~、はいはい。何?嫉妬?」
「・・・うん」
「また、自信ない~とか、思ってるんでしょ?」
「・・・はい」
「日向をとられちゃう~・・心変わりしたらどうしよう~・・・振られたらどうしよう~ってとこ?」
「・・・はい・・・その通りです」
「隣にも行けないし?触って欲しくないし?日向は私のものよって?」
「・・・はい・・・」
私はどんどん下を向く。
「変なのかな?私おかしいのかな?そんな風に思うの・・・だって日向は私のものじゃないのに・・・どうしたらいいの?理沙」
「・・・仕方ないんじゃない?」
「え?」
「それが普通よ」
「普通?」
「そ。茜はさ、片思いしてたとき、隣にいた彼女が羨ましいと思ってたでしょ?」
「うん」
「でも、隣にいるのが自分になって、今まで知らなかった感情が出てきたのよ」
「あ!・・うん」
「隣にいるって・・意外に大変よ?特にモテる人ならなおさら。ヤキモチなんてどのくらい焼いたことか・・・」
「理沙でもやくんだ・・」
「いつでも、やきまくりよ!?」
「・・・そっか」
「そうよ。でも、あんまり顔に出さないほうがいいわよ・・・嫌がられるから」
「・・・わかった。努力する」
「愚痴はいつでも聞くからさぁ・・・泣くのだけはやめてよね」
「泣かないもん」
「どうだか?」
「もぅ・・・いじわる~」
理沙に話を聞いてもらって、ちょっと心が軽くなった。