片思い?両思い?


日向の部屋に入るといつものところに座る。

制服から私服に着替えた日向は、いつも飲み物を持ってきてくれる。

「はい、どうぞ」

「ありがとっ」

こんな風に一緒にいられることが本当に幸せだと思う。

「ところで」

私の隣に座った日向は

「夕陽とは知り合いだったの?」

と聞いてきた。

「え?うん。中学の時に理沙の幼なじみの康君の友達だったから、自然に話すようになって・・」

「ふぅ~ん」

あれ?何か機嫌悪い?

「で?」

「え?」

「何かあった?」

「・・・?別に、何もないけど・・・」

「本当に?」

「うん」

「告白とかされなかった?」

「へっ?夕陽君に?」

「・・ああ」

「されないよ?だって夕陽君が好きだったのは理沙だもん」

「え!?・・・あ、そう・・・」

ん?なんだろう?

「夕陽が言ってたの?」

「ううん。でも、一緒に話をするときとか、私の方を全然見てくれなくて・・・ずっと理沙を見てたから・・・あ~理沙が好きなんだろうなって・・・」

「・・・それって・・・」

「え?何?」

「いや・・・茜が鈍感でよかったよ」

「え?私鈍感じゃないよ?」

「え!?鈍感じゃないって思ってんのか?」

「え?違うの?」

「はぁ・・じゃ、今俺がどう思ってるかわかる?」

「ん?・・・何か、思ってるの?」

日向の顔をちょっと覗きこむけど・・・・。


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