片思い?両思い?


「あ、兄貴ならまだ帰ってきてないけど・・・」

「あ・・・そう」

ちょっとホッとしたのもつかの間・・・

「え~、そうなんですか?」

女の人の声が聞こえて・・夕陽君とそちらの方を見ると・・・。

「日向・・・・」

腕を組んで楽しそうに歩いてくる日向と円ちゃんが・・・・いた。


「ちょ・・・」

夕陽君も、驚いているみたいだ。

2人は私と夕陽君を見つけて、絡ませていた手を離す。


・・・だよね。

こんなところにいるなんて・・・思ってないもんね。

「あ、茜・・・どうした?」

慌てるように私に近づいてくる日向。

腕を掴もうとするけど

「触らないで!」

思いっきり振り払ってしまった。

「あ・・・」

無意識に拒否してしまう。

どうしよう・・・。

「茜?」

日向は拒否されたのが何故なのか、わからないみたいで・・そのことも私は許せなくて。

こんなに悩んで・・・悩んで・・・・ここまで来たのに。

「ずるい・・・」

「え・・・」

「私に飽きたなら、そういえばいいのに」

ずっと、ずっと我慢してきた気持ちと涙が溢れ出す。

「何言って・・・」

「もう、好きじゃないなら言ってくれたらいいのに!」



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