片思い?両思い?


こんな風にこそこそ会うくらいなら・・・二股かけられるくらいなら、別れてくれたほうがいい。

「ちが・・・」

「違う?何が違うの?仲良く腕組んで、楽しそうに家に入れて・・・何が違うって言うの!?」

泣いてる私を覗きこむように円ちゃんが見る。

「茜さん、ヤキモチですか?」

ニヤリと笑うその顔が・・・許せなかった。

日向を返して!

口から出かかった言葉を必死で呑み込んだ。

「あなたには関係ない」

どこから出たかもわからないような低い声。

その声に3人とも息をのむのが、わかった。

日向も困った顔してる。

「ストーカーみたい」

ぼそっと呟いた円ちゃんの声。

「円!」

日向は怒ってくれるけど、呼び捨てにする日向が遠くに感じて、しかも・・・・ストーカー?

私がやったことって・・・ストーカー行為なの?

うそ・・・。

・・・私・・・醜い?

日向の顔を見上げると・・・本当に困ったような顔してて・・・。

「茜、ごめんな」

なんで、日向が誤るの?

ひどいこと言ったのは円ちゃんでしょ?

円ちゃんと一緒の時は楽しそうに笑ってた。

私はこんな顔しか・・させてあげられなく・・・なってる?

・・・もう・・ムリだよ・・・私・・そんなに強くない。

自分のやってることが・・ストーカーになってることすら、気がつけないなんて・・・。


後ろに下がると、足がもつれてよろける。

「ちょ、大丈夫?」

それを夕陽君が支えてくれた。

掴まれた夕陽君の腕の温かさに、また涙が溢れて。

顔を覆って泣くしか出来なかった。

「も・・・ムリ・・・」

「茜!?」






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