片思い?両思い?

〜夕陽、円〜

家の中に入った2人はリビングで話をしていた。

「おい」

不機嫌な声で夕陽が話す。

「なによ」

円も不機嫌だ。

「わざとだろ?」

「何が?」

「茜さんのことだよ?」

「・・・・そうよ」

ジロリと夕陽を睨む。

「お前!いくら兄貴が好きだからって、あのやり方はねーだろ!?」

「え・・・?」

「あれじゃ、茜さんがかわいそうだ」

「・・によ」

「あ?」

「何よ!いつもいつも、茜さん、茜さんて!」

「なんだよ?逆切れかよ?」

「この・・・鈍感男!!」

「なんだと!?」

「あたしが好きなのは・・・あんたよ!馬鹿!」

「えっ・・・ええ!?」

「茜さんが綺麗な人って言うのは認めるわ。性格もいいし。夕陽が惹かれるのもわかる」

「小渕?」

「悔しかったのよ。何もしないで日向さんにあれだけ愛されて、夕陽にまで好かれるなんて・・・だからちょっと困らせてやりたかったの・・・あんなに泣くなんて思ってなくて・・・」

「でも、最後もひどいこと言ってたぞ?」

「あ、あれは・・夕陽が茜さんに触れるから・・・」

「呆れた・・・ヤキモチかよ・・・」

「なによ!?わるい?」

「俺が好きなら直接言えばいいだろ?回りくどいことして、兄貴たちを振り回すんじゃねーよ」

「言えるんだったら、もっと早く言ってるわよ!!」

「泣いてんじゃねーぞ」

「・・・泣いてないも・・・ん」

少しの沈黙の後、

「・・付き合うか?」

「え?」


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