片思い?両思い?


俺は海に着くと、バイクを降りて砂浜を探す。

茜・・・。

海はまだ冷たくて、人は殆どいない。

ここにもいない?

そう思ったとき・・・あれ?

海の中に足を入れてる人が・・・・茜!?

ちょ・・・ちょっと待て・・・。

俺は無我夢中で走った。


そして-----

「茜!」

後ろから茜を抱きしめた。

「ひ・・なた・・・?」

「何・・やってんの?」

ヤベ・・・泣きそうなんですけど。

日向と呼んでくれた嬉しさと、茜のぬくもりが温かい。

だけど・・・・茜は振り向いて・・・言った。

「別れよっか・・・」

はっ?

「何言って・・・」

頭がうまく働かない。

「日向も重いでしょ?ストーカーみたいになってる彼女なんて・・」

笑って言う言葉じゃねーだろ?

「茜・・・」

・・・違う。

そこまで・・・そんな風になるまで追い込んだのは・・・俺だろ?

「それに・・・円ちゃんを好きなら・・それでいいから・・・」

なんで・・・。

俺に文句あんだろ?

それを何故言わないんだよ!

「茜!」

「もう、捨てちゃってよ・・・私なんて・・・」

顔を横にむけて、俺を見ようとしない。

捨てるって・・・なんだよ。

俺は茜を抱きしめる。

「別れない!」

「・・・なんで?」

「好きだから別れない」

「嘘つきは・・・嫌いだよ・・・」

ああ・・・もう、どう言えばいいんだ・・・。

「気持ちがないのに・・・付き合っていても日向が辛いだけだよ・・・」

気持ちが無いなんて・・いつ言ったよ?

そんな態度だったか?

茜のこと、どうでもいいなんて・・そんな態度してた?俺・・・。

「全部・・・話す!」

円のことなんて、どーでもいい。

茜を失いたくない。







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