片思い?両思い?


「日向・・・」

唇をそっと離すと・・・やっと俺を見てくれて。

茜の顔は、泣きまくってたせいか目が腫れていて・・・だけど、そんな茜も可愛いと思ったり・・・。

ゆっくりと抱きしめると

「日向が・・・好き・・・」

呟くように言う。

「俺も・・・好きだよ」

あ~・・・本当に泣きそうなんだけど・・。

だけど・・・良かった。

良かったよ。



それから2人で家に戻ると、円が泣きながら茜に謝っていた。

「ごめんなさい。羨ましくて・・・茜さんに意地悪しちゃったの・・・」

そんな素直な円に

「ううん。私こそ・・・何もわかってあげられなくてごめんね」

と。

・・・惚れ直した。


夕陽と円が付き合うことになったとは、びっくりしたが。

まぁ、落ち着いてくれたと言うことで、良しとした。





それからたまに顔は見せるものの、毎日あの場所には来なくなった円。

「人騒がせな・・・」

理沙ちゃんは茜に話を聞いて呆れていた。

「相談すればいいのに」

と、ちょっと不満もあったようだ。

「ごめん」

困ったように笑う茜。

またいつもの日々が戻って満足な俺。



「日向のお人よしは考えもんだな」

隆平の一言に3人は頷く。

「でも、そこが日向のいいところでもあるんだもんね?」

と優しく微笑んでくれる茜。

その笑顔を、曇らせるようなことは、もうしない。

「日向先輩に甘いんだから・・・大泣きするほど嫌な思いしたくせに・・・」

「でも・・・それは私がちゃんと信じなかったから・・・」

少し困った顔で笑う茜。

そんな可愛い事言ってくれる茜が

大好きだ!!



~完~







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