片思い?両思い?
「・・・どういうこと?」
理沙はまだ良く分かっていないようだった。
「まぁ・・・・日向先輩のことが好きなら今のままでいるしかないって事よ」
「今のまま?」
「そう、振り向いてはもらえないけど・・力になるってことよね?簡単に言うと「友達」って事かな」
ため息をついて理沙は言う。
「男女の友情なんてありえないわ」
「友情じゃないわよ・・・私は好きなんだから」
「・・・それって・・・都合のいい女になれってこと?」
はっきり言わないでよ・・・。
「悪い言い方をすると、そうなるかな」
理沙を少しなだめるように言う隆平さん。
「そんな事を茜にやれって言うの!?・・・隆平酷いよっ!」
苦笑いをする隆平さんを理沙は睨む。
「でも理沙、私が日向先輩を好きでいる以上そうするしかないんだよ」
私が言うと、寂しそうな顔をする。
心配してくれてるんだってことは、わかってる。
自分でも馬鹿だなーって思う。
「どうしても・・・日向先輩じゃなきゃダメなの?違う人じゃダメなの?」
「うん。こればかりはどうにもならないよ、理沙。」
「あかね~」
「馬鹿だよね・・・。でも日向先輩しか見えないんだ・・・」
理沙はジュースを一口飲んで、諦めたように言う。
「・・・なにかあったら言いなさいよ?茜は一人で何でも抱え込んじゃうんだから」
その言葉が嬉しかった。
「ありがとう。ちゃんと相談するから」
「約束ね」
「うん」
それから私たちはドーナツを食べて別れた。
隆平さんは「ごめんね」と何回も誤っていた。
気にしなくていいのに・・・日向先輩を好きなのは隆平さんのせいじゃないから・・・。
日向先輩の側にいることを選んだのは私なんだから。