片思い?両思い?
「わぁ〜。すごい」
思わず手を手を叩いてしまう。
本当にあっという間に取っちゃうんだもん。
「はい、どうぞ」
取ってくれたのは『かばさん』のぬいぐるみ。
「え?こ、これも?」
驚いてる私に
「どうぞ」
と、丁寧に笑ってくれた。
もう〜嬉しすぎる〜。
ひゃっほ〜。
という感じな歩き方をしていたと思う。
「そんなに嬉しいの?・・・それ、可愛くないのに」
クスクス笑いながら聞く日向先輩。
「いいんです。いいんです」
満面の笑みで返事をする。
日向先輩がくれた物だから、可愛くなくても可愛くなっちゃうんです。
「・・・・あ!」
そうだ。
「どうした?」
「お金!」
「は?」
「ぬいぐるみの、お金やらなくちゃですね・・・」
私が鞄から財布を取りだそうとすると
「いいよ。お金いらないよ」
へ?
「で、でも・・・」
困ってると
「機嫌の悪い俺に付き合ってくれたお礼」
と、照れたように笑う。
「え・・・あの・・・」
こう言うとき、どうしたらいいか迷う。
「もらっておきな、茜ちゃん」
私が困ってるのを気が付いたのか隆平さんが言ってくれた。
「本当にいいんですか?」
もう一度確認すると
「うん、いいよ」
と、笑顔で返してくれる。
「ありがとうございます!!」
わ〜い。わ〜い。
私の様子を見て3人はクスクスと笑っていた。