片思い?両思い?


「こっち」

そう言って腕を引っ張られる。

連れてこられた場所は自販機の前。

「何でもいい?」

頷くとミルクティーを買ってくれた。

わーい。

ミルクティー好き。


近くにある椅子に座らせてもらって、ミルクティーを飲んだ。

本当はもって帰りたかったんだけど・・・日向先輩が開けてくれたから・・・。

「落ち着いた?」

隣に座った日向先輩が優しい顔で聞いてくれる。

「あ、はい・・・すいません。ナンパされて泣いた上にミルクティーまで・・・・」

「はは・・気にしないで・・・俺、バイトしてるし。多少の金は持ってるから」

「え?・・・バイトしてるんですか?」

「うん。朝の新聞配達なんだけどさ。・・・野球やめてから運動代わりにね」

「・・・そうですか」

野球あんなに好きだったのに・・・。

「野球・・・もうしないんですか?」

「・・・うん。肩痛めちゃったから・・・」

寂しそうに笑う日向先輩。

やめたくなかったんだよね・・・きっと。

「全く投げられなくなったんですか?」

「いや、連続でないなら大丈夫だけど・・・」

「町内会の草野球とかなら出来るんじゃないですか?」

「は?」

「あの、私の町内会はマラソン大会とか草野球大会とかあるんですけど・・・あ・・・すみません。余計なお世話ですよね・・・」

つい、余計な事まで言っちゃったな・・・。

「草野球ね~・・・考えつかなかったな。」

「あ、すいません・・・忘れてください」

それから、日向先輩は何かを考えてたみたい。






< 38 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop