片思い?両思い?


「茜」

少しすると隆平さんと理沙が私たちのところへやって来た。

「茜ちゃん、大丈夫だった?」

隆平さんが心配そうに聞いてくれた。

「はい・・・日向先輩が助けてくれたので」

「そう」

嬉しそうに話した私に微笑んでくれた。

「だから前から言ってるでしょ?茜はモテるんだからナンパの断り方勉強しなさいって」

理沙は口を尖らせている。

「え~?私モテないよ?・・・ナンパされる時は理沙と一緒の時じゃない」

「あれ?茜ちゃん・・・自覚なし?」

隆平さんが首をかしげるから・・・私もかしげてみた。

「自覚?」

「プッ・・・まねしなくて良いよ」

慌てて首を戻す。

「本当に天然だよな・・・」

隣に座っていた日向先輩も笑いながら言う。


「なんか・・・この中にいると私だけ子供みたい・・・」

皆の大人っぷりに軽くへこむ。

「まぁ、そこが茜のいいところよ」

と頷きながら理沙が言うと、日向先輩と隆平さんも頷いていた。

「え?そうなの?」

「そうよ」

理沙がニヤリと笑う。

本当かな・・・。なんて考えていたら。

「ま、気にすることねーよ」

日向先輩が頭をポンポンとしてくれた。

ポン?・・・ポンポン???

頭・・・ポンポン?????

うわあああああああああああああ。

「あはは!茜ちゃん顔が真っ赤だよ?」

隆平さんが言うと皆で覗き込む。

「やだやだ・・見ないで!」

慌てて鞄で顔を隠した。


「茜・・・・免疫なさすぎ・・・」

理沙が呆れたように言って、日向先輩と隆平さんは笑っていた。

違う・・・日向先輩だからだよぉぉっぉぉっぉぉおぉおお!!


結局また笑われて帰るのだった。









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