片思い?両思い?
「「いいねぇ!海!!」」
隆平さんと理沙は思い切り叫んでいた。
バスで10分。海到着!
実は前々から考えていたんだよね。
きっとまた落ち込んだときに隆平さんの所に来るんじゃないかって思ってたから。
日向先輩が楽しめるところ・・・移動距離もそんなに遠くないところ・・・お金も掛からないところ・・・公園も考えたんだけど・・・ブランコ乗ったり滑り台すべって楽しいの?と考えて・・・・やめた。
隆平さんが海を眺めながら背伸びをする。
「そんなに寒くないね」
理沙も楽しそう。
やっぱり海にして良かった。
日向先輩はまだ笑顔はない・・・。
「昼休みにまた喧嘩してんだぜ?」
呆れたように言う隆平さん。
「え?そうなんですか?」
思わず聞いてしまった。
「・・・余計なこというなよ、隆平」
ジロッと睨む日向先輩。
ニヤッと笑うと理沙の手を引いて歩いていってしまった。
ちょ・・・二人っきりにしないで欲しい・・・何話していいか分からないじゃん・・。
「私たちも行きますか?」
「ああ」
元気のない日向先輩と会話もないまま、少し離れた隆平さんと理沙を追いかけるように歩いた。
沈黙を破ったのは日向先輩だった。
「・・・もう、ダメなのかな・・・」
私はハッとして日向先輩を見る。
寂しそうな顔をしていると、私が辛くなる。
はぁ・・・なんでこんなに好きなんだろ・・。
「・・・先輩がダメだって思ったら、そこで終わりなんだと思いますよ?」
「・・・ん?」
「今、終わりにして・・・後悔はしないんですか?続けるにしても、終わるにしても・・・後悔しないようにしてくださいね」
戸惑ったような日向先輩に笑顔で言った。
・・・何事も本人が終わりだと思ってしまえばそこで終わりなんだ。それは私でも分かる。