片思い?両思い?
「日向先輩・・・どうしてここに?先輩の家ってこっちではないですよね?」
お互いストレッチをしながら話す。
「ああ、新聞配達の帰りなんだ・・・走ってる茜ちゃんらしき人を発見してさ・・・」
「え?そうなんですか・・・全く気が付きませんでした」
「うん・・髪型がいつもと違うし、制服じゃないから半信半疑だったんだけどね」
「そうですか・・・」
走るときは髪は後ろでひとつに結んでる。
学校に行くときはおろしてるからなぁ。
「毎日ここ?」
「いえ、毎日ではないです。晴れた日の朝か夕方時間があるときにだけです」
「そう・・・・でも、ここって見晴らしがいいね」
「はい!・・・嫌なことがあったりするとここに来てるんです」
「そっか〜・・・俺もたまに来ようかな・・・ところでさ・・・」
「はい?」
「その袋なに?」
「あ、レモンの蜂蜜漬けです」
私の言葉に目が一瞬輝いた。
「食べますか?」
袋を開けて差し出すと
「いいの?」
「はい。どうぞ」
「ありがとう」
とても嬉しそうな顔で私の持ってる袋からレモンを取り出す。
パクッと一口食べて
「うめぇ〜」
と、叫んだ。
「俺、大好きなんだよね・・・」
ニコニコしながら食べる先輩が可愛くて思わず笑ってしまう。