片思い?両思い?
放課後、一緒に帰ることになった俺と隆平は玄関へ向かった。
「おまたせ」
隆平が言うと、2人ともこっちを見る。
その途端、茜ちゃんの顔がみるみる赤くなった・・・マジで免疫ないのか・・・。
男と待ち合わせなんてしたことないのかな。
新鮮だ。
一緒に歩くと・・・俯いたまま何も言わない・・・。
緊張してるのが手に取るように分かる。
「理沙が無理言ってすみません」
やっとの思いで言ったんだろう・・・ププッ
笑っちゃ可哀想だが・・なんか小動物みたいだ。
「いえいえ」
ちょっと楽しんでる俺がいる。
「何言ってるのよ・・・茜の為に付き合ってもらったんだから」
理沙ちゃんの一言で顔が少し怖くなり・・・・お、怒った。
いつも強気な理沙ちゃんがどんどん追い詰められて行って・・・たじたじだ。
・・・おもしれぇ!この2人面白いぞ!!
今まで理沙ちゃんのことでいっぱいいっぱいだったんだろう、俺たちがいることにハッと気が付いたかと思ったら・・・今度はオロオロし始めた。
その姿がなんとも可愛くて、面白くて、隆平と声を上げて笑った。
その後はずっと下を向いていた茜ちゃんだったけど、俺は面白い子みつけちゃった、とちょっと喜んでいた。
駅までの道のりはあっと言う間に終わって、俺は足早に3人の元をあとにした。
早苗は5分でも遅れるとすげぇ怒る・・・・そして「買って」攻撃が始まる。
ファミレスにつくと早苗はまだ来ていなかった。