片思い?両思い?


放課後、一緒に帰ることになった俺と隆平は玄関へ向かった。

「おまたせ」

隆平が言うと、2人ともこっちを見る。

その途端、茜ちゃんの顔がみるみる赤くなった・・・マジで免疫ないのか・・・。

男と待ち合わせなんてしたことないのかな。

新鮮だ。

一緒に歩くと・・・俯いたまま何も言わない・・・。

緊張してるのが手に取るように分かる。

「理沙が無理言ってすみません」

やっとの思いで言ったんだろう・・・ププッ

笑っちゃ可哀想だが・・なんか小動物みたいだ。

「いえいえ」

ちょっと楽しんでる俺がいる。

「何言ってるのよ・・・茜の為に付き合ってもらったんだから」

理沙ちゃんの一言で顔が少し怖くなり・・・・お、怒った。

いつも強気な理沙ちゃんがどんどん追い詰められて行って・・・たじたじだ。

・・・おもしれぇ!この2人面白いぞ!!

今まで理沙ちゃんのことでいっぱいいっぱいだったんだろう、俺たちがいることにハッと気が付いたかと思ったら・・・今度はオロオロし始めた。

その姿がなんとも可愛くて、面白くて、隆平と声を上げて笑った。

その後はずっと下を向いていた茜ちゃんだったけど、俺は面白い子みつけちゃった、とちょっと喜んでいた。

駅までの道のりはあっと言う間に終わって、俺は足早に3人の元をあとにした。

早苗は5分でも遅れるとすげぇ怒る・・・・そして「買って」攻撃が始まる。

ファミレスにつくと早苗はまだ来ていなかった。


< 58 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop