片思い?両思い?
「思いが通じて付き合うことになったら・・・相手の欠点なんて見えなくなるのよ。隣で笑ってくれるだけで幸せな気持ちになるのよ」
そうなんだよ・・・最初はそうだったんだよ。
隣で笑ってくれたら、それだけで良かったんだ。
「その人の恋が間違ってるとか・・そんな事周りが決めることじゃないわよ。本人がそれで良いならいいのよ。後は何がどうなっても自分の責任よ」
そうだな・・・確かに付き合いたいって思ったのも、そういう風に仕向けたのも俺自身だ。
「日向先輩は・・・彼女と別れたいんですか?」
茜ちゃんの質問に
「いや・・・別れたくない」
と、はっきり言った。
これは本音だ。
「それは、恵一先輩にとられたくないって思ってるから?」
「違うよ・・・好きだからだよ」
確かに恵一だって事は引っかかっている部分ではあるけど・・・。
「じゃあ・・・別れなくても良いんじゃないですかね?」
「ちょっと、茜・・・」
「ボロボロになったら、手を差し伸べてくれる人はいますから・・・今はムリに別れなくても良いと思います。・・・愚痴くらいなら聞きますよ?」
笑顔で言ってくれる茜ちゃん。
「ありがと」
本当にありがたいよ。
その気持ち嬉しいよ。ありがとう。
「俺、ちょっと早苗に会ってくるよ」
携帯を取り出し電話をかけると、3人に笑顔で
「行ってくる」
と言って、ミスドを出た。