片思い?両思い?



「思いが通じて付き合うことになったら・・・相手の欠点なんて見えなくなるのよ。隣で笑ってくれるだけで幸せな気持ちになるのよ」

そうなんだよ・・・最初はそうだったんだよ。

隣で笑ってくれたら、それだけで良かったんだ。

「その人の恋が間違ってるとか・・そんな事周りが決めることじゃないわよ。本人がそれで良いならいいのよ。後は何がどうなっても自分の責任よ」

そうだな・・・確かに付き合いたいって思ったのも、そういう風に仕向けたのも俺自身だ。

「日向先輩は・・・彼女と別れたいんですか?」

茜ちゃんの質問に

「いや・・・別れたくない」

と、はっきり言った。

これは本音だ。

「それは、恵一先輩にとられたくないって思ってるから?」

「違うよ・・・好きだからだよ」

確かに恵一だって事は引っかかっている部分ではあるけど・・・。

「じゃあ・・・別れなくても良いんじゃないですかね?」

「ちょっと、茜・・・」

「ボロボロになったら、手を差し伸べてくれる人はいますから・・・今はムリに別れなくても良いと思います。・・・愚痴くらいなら聞きますよ?」

笑顔で言ってくれる茜ちゃん。

「ありがと」

本当にありがたいよ。

その気持ち嬉しいよ。ありがとう。

「俺、ちょっと早苗に会ってくるよ」

携帯を取り出し電話をかけると、3人に笑顔で

「行ってくる」

と言って、ミスドを出た。




< 65 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop