片思い?両思い?


茜ちゃんの側に近づくと、腕を引っ張られてる。

ムカッ。
・・・触ってんじゃねーよ。



「おい、誰に手ぇだしてんの?」



声を掛けると2人でこっちを見る。

「ああ!?」

茜ちゃんは、今にも泣きそうな顔をしていて、それを見た俺はなんだか無性に腹が立って・・・


「悪いけど、俺んだから」


茜ちゃんの腕を掴み腕の中へ引き寄せた。

すっぽり入ってしまった茜ちゃんの体が硬直してるのが分かった。

・・・可愛いな。

男は俺を睨んだかと思ったら、チッっと舌打ちが聞こえて違う場所へ行く。

後ろを見ると、隆平がこちらを睨んでいた。

・・・隆平見て逃げたな。


「大丈夫?」

茜ちゃんの顔を覗き込むと

「あ、は・・・・はい」

返事はするものの泣いてしまった。

・・・あのヤロー・・ムカつく・・・泣かせやがってぇ!

「あ、ご、ごめんなさい・・・なんかホッとしちゃって」

涙を拭いて笑って見せる茜ちゃんが、すげぇ可愛くて。

・・・誘ってんのか?

・・・そんなわけねーか。




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