片思い?両思い?


晴れた日の朝は、出来るだけあの丘に行った。

茜ちゃんに会いたかったから。

気持ちはもう茜ちゃんに向いている。

それは自分でも分かってる・・・だけど、茜ちゃんには好きな人がいる。

俺も早苗と別れていない・・・すげぇ中途半端な状態。

これで「好き」なんて言ったところで信じてもらえるはずもない。

茜ちゃんが言ってた

「告白しても、迷惑になるから」

その意味が初めて分かった。

今、俺が告白したところで困らせるだけだからな。

それにこの関係が壊れてしまうのも怖い・・・・あ~、どうしたらいいのか・・・。


そんなことを思いながら過ごしていたある日、

「お、元気ねーな」

「ああ・・・隆平」

相談したほうがいいのか?

俺は朝の出来事を隆平に言えずにいた・・・絶対怒られる・・・。

「早苗ちゃんか?」

「あ?・・・ああ」

隆平の言葉に少し動揺する。

・・・・・早苗・・・全くと言っていいほど・・・考えてなかった。

一緒に帰らないし、メールすらこない・・・学校で話をすることもない・・・。

・・・別れてるのと一緒じゃね?

「なんだ?違うのかよ?」

「え?・・・いや、その・・・」

「・・・もしかして・・・茜ちゃん?」

「は?・・・いや・・・べつに・・・」

「目が泳いでいるよ?日向君??」

ニヤリと笑う隆平。


< 84 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop