片思い?両思い?
晴れた日の朝は、出来るだけあの丘に行った。
茜ちゃんに会いたかったから。
気持ちはもう茜ちゃんに向いている。
それは自分でも分かってる・・・だけど、茜ちゃんには好きな人がいる。
俺も早苗と別れていない・・・すげぇ中途半端な状態。
これで「好き」なんて言ったところで信じてもらえるはずもない。
茜ちゃんが言ってた
「告白しても、迷惑になるから」
その意味が初めて分かった。
今、俺が告白したところで困らせるだけだからな。
それにこの関係が壊れてしまうのも怖い・・・・あ~、どうしたらいいのか・・・。
そんなことを思いながら過ごしていたある日、
「お、元気ねーな」
「ああ・・・隆平」
相談したほうがいいのか?
俺は朝の出来事を隆平に言えずにいた・・・絶対怒られる・・・。
「早苗ちゃんか?」
「あ?・・・ああ」
隆平の言葉に少し動揺する。
・・・・・早苗・・・全くと言っていいほど・・・考えてなかった。
一緒に帰らないし、メールすらこない・・・学校で話をすることもない・・・。
・・・別れてるのと一緒じゃね?
「なんだ?違うのかよ?」
「え?・・・いや、その・・・」
「・・・もしかして・・・茜ちゃん?」
「は?・・・いや・・・べつに・・・」
「目が泳いでいるよ?日向君??」
ニヤリと笑う隆平。