片思い?両思い?


2人で並んで雨宿りをしてる。

チラッと茜ちゃんをみると、髪が少し濡れていて・・・なんかヤバイんですけど。

抱きしめたくなる・・・。

いや、いやいや・・ダメだろ・・・ここは冷静に、冷静に。

茜ちゃんもどうしていいか分からない様子だったから、

「いきなり引っ張ってごめんね」

声を掛けてみる。

「あ、いえ、助かりました。・・あのまま走ってたらずぶ濡れになってたと思うから」

俺の方を見てくれない・・・。




そして2分後。


なんだよこの雨・・・。


突然降ってきた雨は・・・恐ろしいほど勢いを増していた。

と、その時

ピカッと光った瞬間

パキッ!ゴロゴロ!!

と激しく雷が鳴る。

「うおっ!」

「ひゃっ!」

音の大きさに2人で肩を窄めた。


思わず茜ちゃんの腕を掴んでしまった。

茜ちゃんも同じように俺の腕を掴んでいた。


何故か隆平の言葉が頭をよぎる。

『この状態を続けられねーかもしれないぞ』


そんなの冗談じゃねぇ!




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