片思い?両思い?
「わかってたことなんだ」
泣き顔で、まっすぐに俺をみる。
「でも・・・」
「ありがとな」
頭をぽんぽんとして、今度は俺が茜ちゃんの手を引いて歩き始めた。
強く握り返された手が、嬉しかった。
駅に近くなると隆平たちが見えた。
「手・・・はなすね」
俺の言葉に一回キュッと握られてから
「はい」
返事の後、手が離れた。
そんなことされたら、離したくなくなるじゃねーかよ。
このまま、俺茜ちゃんを連れてどこか行きたいけど、そんな事できねーし。
「おうっ」
俺は隆平に軽く手をあげる。
「お~、無事だったか」
「少し濡れたけど、なんとか」
「そっか、じゃ、ファミレスにでも行くか」
「そうだな」
茜ちゃんをみると・・・普通だった。
すげぇ・・・こんなときは普通にいられるんだな。
多分、相当気は張ってると思うけど。
それからいつものように、俺たちは放課後を過ごし、家に戻った。