片思い?両思い?
決着
「なんだよ、こんなところに呼び出して」
次の日の朝、俺は隆平を連れて校舎の脇に来ていた。
誰もいないことを確認して
「ちょっと、話があってさ」
「愛の告白?」
「アホか・・・違うよ」
俺がちょっと真剣な顔をしているのが分かったのだろう、それ以上は茶化さなかった。
「茜ちゃんのことなんだけど」
「おう」
「昨日さ・・・」
「ん?昨日?」
「おぅ・・・雨がひどくて雨宿りしてたんだけど・・・・・キスした」
「・・・・・・・・キ、キスぅ?・・・・・・・」
目を真ん丸くする隆平。
「なんで・・・また・・・」
「なんか・・・さ・・急に取られたくないって思って・・・・」
俺の言葉に呆れる隆平。
「・・・なにやってんだよ・・・」
「なんだよ?隆平が俺を煽ったんだろうが」
「は!?俺は気持ちを伝えたらどうだ?とは言ったが。キスしろなんて言ってねーぞ!?」
「・・・それは、そうなんだけどさ・・・仕方ねーだろ!やり方が思いつかなかったんだから!」
「いやいやいやいや・・・ありえん。・・・・それで?気持ちは伝えたのか?」
「・・・・・いや」
「はぁ!?・・・肝心なことも言わずにキスだけしたのかよ?」
「うん・・・まぁ・・・」
「・・・やり逃げ」
「やり逃げ言うなよ」