片思い?両思い?


「幼馴染だから、見ていられないって・・。」

早苗の話を聞いて俺は少し上を見上げる。

「・・・そうか、分かった」

早苗が驚くような顔をして

「分かった?って何が?」

「俺、恵一に早苗のこと相談してたんだ・・・恵一が早苗を好きなんて知らなかったから」

「え?」

「恵一は、友達思いだから俺の相談を「うんうん」って聞いてくれてた・・・早苗のことを好きなのに、自分の気持ちを隠して・・・」

「だけど、日向と付き合ってるのを見て、思いが止められなかったってとこか?」

隆平が続きを言ってくれる。

「ああ・・・あいつ馬鹿だよ・・・・俺なんかに遠慮することなんてなかったのに・・・初めから早苗と付き合うのは恵一でよかったんだ・・・。」

「それは・・・違うの」

「え?」

「恵一は日向と付き合ってる私だから・・・付き合いたいって思ったのよ・・・」

「そんな事ねーと思うよ?」

隆平が早苗を見て言う。

「でも・・・」

「日向と恵一が喧嘩したとき、「早苗ちゃんがずっと好きだった」ってあいつ言ってたから」

「嘘ッ」

「本当」

「・・・そう・・な・・んだ・・」

今まで見せることのなかった笑顔をみせるから、本当に恵一が好きなんだってわかる。


「恵一と付き合ってるんだろ?」

「ん~・・・どうなんだろう・・・確かに好きだとは言われたし、一緒に帰ったりしてるけど・・・恵一はずっと日向のこと気にしてるから・・・」

「・・・あそこまでしておいて・・・俺を気にするって・・・・」

「だから言ってるじゃない・・・恵一は日向が好きなのよ」

「・・・誤解するような言い方するなよ」

「だって~・・・」







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