片思い?両思い?


「・・・早苗は、どうしたいんだよ?」

「うん?」

「恵一に気持は伝えてあるのか?」

「気持ち?」

「ずっと好きだったんだろ?」

「な、なんで?」

「早苗の態度を冷静にみてれば、すぐ分かるよ」

そうだ。

今考えると早苗が恵一のことが好きであろう態度は沢山見つかる。

俺と話すときより、恵一と話すときのほうが笑顔が多かったと思うし。

俺と恵一を見るときの早苗の顔が違ってた・・・冷静に観察してりゃ、すぐ分かったのに、俺はいっぱいいっぱいで、わかってやることが出来なかった・・・。

「・・・って事は・・・簡単に解決できるんじゃね?」

「「え?」」

俺と早苗は隆平の方を見る。

「結局さ、お互いがお互いを思うが為にややこしくなってるわけだから、皆が素直になれば解決だろ?」

不安そうな顔になる早苗。

「早苗ちゃんと恵一がちゃんと気持ちを伝えて、日向と別れれば、OKなんだろ?」

「そうだけど・・・」

「何か問題でも?」

「今更・・なんて言ったらいいか・・」

「は!?だから、ずっと好きだったでいいじゃん」

「・・・そうなんだけど・・・」

「あ~・・・はっきりしねぇな・・・もうさ、気持ちが分かってるんだから白黒はっきりさせろよ」

「・・・・・・」

「隆平・・・早苗が困ってるだろ・・・」

「あ?」

「簡単じゃねーんだろうよ・・・恵一と早苗にとってはさ・・・」

「・・・怖いの・・・」

「何が?」

「私が日向と別れたら、恵一は責任を感じて私から離れて行っちゃうんじゃないかって・・・そうしたら・・・友達だった関係も崩れちゃうんじゃないかって・・・」

「・・・・友達って・・・今の時点で友達になんて戻れないだろ?・・・しかも男女の友情なんてありえないし」

「・・・でも・・・」

「あ~・・分かったよ。俺が何とかする」

「日向?」




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