××型の彼!
彼女の心痛
『なん、だよ…。
あいつが良いのか?
高島にキスされて、そっちがよくなったのか!?』
私の肩をキツく掴んで声を荒げる康平。
怖い…でも、言いたい事は全部言いたい。
「キスされただけで好きになるわけないじゃん…!
大体、智樹にはキスなんてされてないし…!」
『さっきされてただろ!?
お前は俺のだろ!?
何、勝手にキスされてんだよ!』
「………何、それ。」
『は…?』
康平は私の肩を持ったまま顔を歪めている。
でもきっと、私の方がもっと歪んで、ぐちゃぐちゃだ。
「キスされるのはダメで、するのは良いわけ!?
意味わかんないし!
それに、智樹のキスはギリ頬っぺただった!
なのに、康平は何!?
私にキスしたその唇で、あの娘にもまたキスするの…!?」
康平の胸を叩きながらずるずると崩れ落ちる私。
悲痛に響く私の声。
痛い、痛い。
胸が破裂しそうだよ。
私の心痛、苦しいよ…!