××型の彼!
彼氏の暗黙
「あ、あれ美波の彼氏じゃね?」
「え?」
吹雪くんの指先を辿るとそこには派手な女の子と腕を組んで楽しそうに歩く悠斗くん。
「…今日は、あの子と遊ぶみたいだね。」
ニコッと吹雪くんに笑いかけると頭をポンポンと撫でられた。
「別に笑うトコじゃないだろ?」
顔を顰めながらも優しく頭を撫でてくれる吹雪くん。
「あ―…」
「あっれぇ〜?
あれ、悠斗の彼女じゃん?」
有難う。
そう言おうとした言葉を悠斗くんの隣にいた女の子に遮られた。
バッと二人を見ると悠斗くんは無表情。
女の子はそんな悠斗くんの腕に自分の腕を絡めて体を寄せていた。
「なぁ〜にぃ?
こんなイケメンの彼氏がいるのに浮気ぃ?
ま、そっちのも結構イケメンだけどぉ〜。
あ、あんた面食いなわけ?」
楽しそうに笑う女の子。
吹雪くんが何か言おうと口を開いたが、その前に悠斗くんがフイッと種を返して来た道を戻っていった。
「あっ、悠斗待ってよぉ〜!」
女の子は私の方を見てニッと笑った後、悠斗くんを追い掛けた。
「…帰ろ、っか。」
「美波…」
彼氏の暗黙…明日は明るいかな?